2026.9.13
【番外編】親との近居・同居、どちらを選ぶ?住宅購入前に確認したい7つのポイント

親の年齢を考えると、そろそろ近くに住んだほうがよいのではないか。将来の見守りや介護まで考えるなら、思い切って同居したほうが安心なのではないか。
30~50代になると、自分たちの住宅購入と「親との距離」を同時に考え始めるご家庭が増えてきます。
近居は、お互いの生活を保ちながら必要なときに支え合いやすい住まい方です。一方、同居は日常的な見守りがしやすく、住居費や家事を共有できる可能性があります。ただし、どちらが正解かは家族によって異なります。
大切なのは、「今、親が元気だから」だけで決めないことです。親の10年後、自分たちの働き方、子どもの成長、介護、住宅ローン、そして将来その家をどうするのかまで考えると、住まい選びの判断軸が変わってきます。
今回は、親との近居・同居を考えながら住宅を購入するときに確認したい7つのポイントを、不動産実務の視点から整理します。
近居と同居は「距離」だけでなく暮らし方が違う
近居とは、一般的には親世帯と子世帯が別々の住宅に住みながら、行き来しやすい距離で暮らす考え方です。一方の同居は、一つの住宅を親世帯と子世帯が共有して暮らします。
ただし、同居にもさまざまな形があります。玄関・キッチン・浴室などを共有する住まいもあれば、二世帯住宅のように生活空間を分ける方法もあります。
近居か同居かを考えるときに重要なのは、「何分離れているか」だけではありません。
お互いがどこまで生活を共有したいのか。
ここを最初に整理しておくことが大切です。
例えば、親の見守りを目的としていても、毎日顔を合わせる必要がある家庭と、週に数回訪問できれば十分な家庭では、適した距離が違います。
反対に、同居していても生活時間や居住スペースが完全に分かれていれば、日常的な変化に気づきにくいこともあります。
つまり、「同居だから安心」「近居だから負担が少ない」と単純には判断できません。家族の関係性と将来の役割を考えて住まい方を選ぶことが出発点です。
住宅購入前に確認したい7つのポイント
1.親が元気な現在ではなく「10年後」から考える
最初に考えたいのは、現在の親の状態だけではありません。
親が70歳なら10年後には80歳です。その間に、車を運転しなくなる、階段が負担になる、通院が増える、買物が難しくなるなど、暮らし方が変化する可能性があります。
そのため物件を選ぶときは、親世帯からの距離だけでなく、駅やバス停、スーパー、医療機関への移動、坂道や階段なども確認しておきたいところです。
ここでのポイントは、「今なら歩ける距離」と「高齢になってから移動しやすい距離」は同じとは限らないことです。
親との近居を考えるなら、自宅と実家を実際に徒歩や自転車で移動してみると、地図だけでは分からないことが見えてきます。
2.「近いほど安心」と決めず、ちょうどよい距離を考える
近居では、近ければ近いほどよいとは限りません。
徒歩数分の距離が安心な家庭もあれば、頻繁な行き来がお互いの負担になる家庭もあります。
例えば「急な体調不良ならすぐ行ける」「夕食を届けられる」「孫の送迎を頼みやすい」という距離は便利です。一方、お互いの生活へ必要以上に踏み込みやすくなることもあります。
住宅購入では、物件そのものを探す前に「実家から徒歩圏」「車で10分程度」「同じ沿線」など、家族に合う近居範囲を決めておくと物件探しがしやすくなります。
近居の距離は、不動産広告上の数字ではなく、「どのように助け合いたいか」から逆算することが大切です。
3.同居なら「部屋数」より生活動線とプライバシーを見る
同居を考えると、「親の部屋が1室あれば大丈夫」と考えがちです。しかし、実際の暮らしでは部屋数以上に生活動線が重要になります。
起床・就寝時間、食事、入浴、洗濯、来客、テレビの音、冷暖房の使い方など、世代が違えば生活習慣も異なります。
親世帯の居室を1階に配置できるか、トイレまでの移動が短いか、家族が一人になれる空間があるかなども確認しましょう。
中古戸建てを購入して同居する場合は、将来的な手すり設置、段差解消、寝室変更などのリフォームが可能かを見ることも大切です。
「一緒に住める間取り」ではなく、「長く一緒に暮らし続けやすい間取り」という視点で判断すると、物件の見方が変わります。
4.住宅ローンは親の支援を前提にしすぎない
親との近居・同居では、住宅購入資金について親から援助を受けるケースもあります。
ただし、「親がお金を出してくれるから予算を上げる」と単純に考えるのは注意が必要です。
住宅購入後には、住宅ローンだけでなく、固定資産税、保険、修繕費などが必要です。さらに将来、親の介護や子どもの教育費が同じ時期に重なる可能性もあります。
住宅ローンは「今払える金額」ではなく、家族の支出が増えたときにも返済を続けられる金額から考えることが重要です。
また、親子で住宅ローンを利用する方法や収入を合算する方法などもありますが、利用条件や完済時年齢、団体信用生命保険などは金融機関や商品によって異なります。
借入額を増やす方法を先に考えるのではなく、誰がいくら負担し、将来誰がその住宅を所有するのかまで整理してから資金計画を立てましょう。
5.親から購入資金を受け取るなら「贈与」と「名義」を確認する
親が住宅購入資金を援助する場合は、税務上の扱いにも注意が必要です。
2026年9月現在、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受け、一定の要件を満たす場合、2026年12月31日までの贈与について、省エネ等住宅では受贈者1人につき1,000万円、それ以外の住宅では500万円まで贈与税が非課税となる特例があります。
ただし、自動的に非課税になるわけではありません。住宅や受贈者などに要件があり、特例を利用する場合は原則として贈与税の申告が必要です。
また、住宅購入では「誰がお金を負担したか」と「誰の名義にするか」の関係も重要です。実際の資金負担と所有持分が大きく異なる場合には、贈与税の問題が生じる可能性があります。
親子だから自由に資金を出し合ってよいと考えず、売買契約や登記を行う前に資金の出所と所有名義を整理しておきましょう。具体的な贈与税や持分の判断については、必要に応じて税理士等へ確認することが大切です。
6.介護だけでなく「子育てとの助け合い」も考える
親との近居・同居は、親を支えるためだけの住まい方ではありません。
30~50代の子世帯であれば、子どもの送迎、留守番、急な発熱時などに親世帯から助けてもらえることもあります。
つまり、親子の距離を考えるときは「将来こちらが介護する」という一方向の視点ではなく、現在から将来までの相互に支え合う暮らしとして考えることができます。
一方で、親の支援を当然の前提にして住宅を選ぶのも避けたいところです。親の体力や健康状態が変われば、これまで頼めていたことが難しくなる可能性があります。
「親が元気な期間」「見守りが必要になる期間」「介護が必要になる可能性のある期間」と時間軸を分けて考えると、近居・同居の判断がしやすくなります。
7.最後は「その家を将来どうするか」まで考える
意外と見落とされやすいのが、親が亡くなった後や家族構成が変わった後の住宅です。
例えば親との同居を前提に大きな住宅を購入しても、将来は夫婦だけで暮らす可能性があります。二世帯住宅の場合も、親世帯部分を将来どのように使うのか考えておく必要があります。
近居の場合は、親の自宅が将来空き家になる可能性もあります。そのとき、売却するのか、賃貸するのか、子世帯が住み替えるのかによって選択肢は変わります。
住宅購入では「親のために今必要な家」だけを見るのではなく、10年後、20年後に誰が住む家なのかまで想像することが重要です。
将来売却する可能性があるなら、駅からの距離、周辺環境、土地条件、道路条件、間取りの汎用性なども購入時から確認しておきましょう。
伏見区で近居するなら「直線距離」より実際の移動を確認する
京都市伏見区で親との近居を考える場合は、単純な距離だけではなく、実際の移動手段からエリアを考えることが大切です。
伏見区内には京阪、近鉄、JR、地下鉄などを利用できる地域がありますが、駅への距離、坂道、踏切、道路の交通量などは場所によって異なります。
例えば桃山周辺でも、地図上では近く見える場所が高低差によって歩くと負担になる場合があります。一方、少し離れていても鉄道やバス、自動車で行き来しやすければ、現実的な近居になることがあります。
醍醐・深草・淀・向島などでも、それぞれ交通条件や住宅の種類が異なります。
そのため近居の物件探しでは、「実家から半径○km」という探し方だけでなく、親子双方が普段使う交通手段で何分かかるかを確認するとよいでしょう。
さらに親が将来車を運転しなくなる可能性まで考えるなら、買物、通院、公共交通へのアクセスも重要な判断材料になります。
近居か同居か迷ったら、物件探しの前に家族会議をする
近居・同居を検討するとき、最初から物件情報を検索する必要はありません。
まず親世帯と子世帯で、次のようなことを話してみてください。
- なぜ近くに住みたいのか
- どの程度の頻度で行き来したいのか
- 親が車を運転しなくなった場合はどうするか
- 将来、見守りや介護が必要になったらどうするか
- 住宅購入資金を誰がどこまで負担するのか
- 同居の場合、生活空間をどこまで分けたいのか
- 親の家と新しく購入する家を将来どうするのか
この話し合いをすると、「同居するつもりだったが、徒歩10分程度の近居のほうが合っている」「近居を考えていたが、親の家を建て替えて二世帯で暮らす方法も検討したい」など、新しい選択肢が見えてくることがあります。
物件選びより先に家族の希望を整理すること。それが、近居・同居で後悔しにくい住宅購入の第一歩です。
まとめ
親との近居・同居に、すべての家庭に共通する正解はありません。
近居は、お互いの生活やプライバシーを保ちながら支え合いやすいことが魅力です。同居は、日常的な見守りや家事の協力がしやすい一方、生活時間やプライバシー、費用負担などを事前に話し合っておく必要があります。
住宅購入前には、親の現在の年齢だけではなく、10年後の移動や通院、介護、自分たちの子育てや住宅ローン、さらに20年後の住宅の使い方まで考えてみましょう。
特に重要なのは、「親の近くに家を買うこと」を目的にしないことです。目的は、親世帯と子世帯の双方が無理なく暮らし続けられる住環境をつくることです。
京都市伏見区で近居を検討する場合も、実家からの距離だけでなく、鉄道・バス・徒歩・車での移動、坂道、買物、医療機関、将来の売却などを含めて候補物件を見ることで、選択肢を比較しやすくなります。
センチュリー21ホームサービス伏見桃山店では、まだ購入する物件が決まっていない段階でも、親御さまの住まいとの距離やご家族の将来設計を踏まえながら、近居・同居それぞれに適したエリアや住宅の探し方を整理することができます。
「どの家を買うか」の前に、「家族がどんな距離で暮らしたいか」。そこから住まい探しを始めてみてはいかがでしょうか。
関連記事
.png)









