住宅ローンはいくらまで借りていい?年収別の目安と“無理しない返済額”の考え方

2025.5.18

【購入編】住宅ローンはいくらまで借りていい?年収別の目安と“無理しない返済額”の考え方

マイホーム購入で多くの人が最初に気にするのは「自分はいくら借りられるのか」です。けれど、本当に大切なのは「借りられる額」ではなく「借りていい額」です。金融機関の審査に通る金額と、家計に無理なく返せる金額は必ずしも一致しません。住宅ローンは30年、35年と続く長期の約束です。この記事では、借入可能額と適正借入額の違い、年収別の目安、金利上昇や教育費まで踏まえた安全な考え方を解説します。

 


 

借入可能額と「借りていい額」は違う

 

住宅ローン審査では、年収、勤務先、勤続年数、健康状態、完済時年齢、返済負担率などが確認されます。国土交通省の調査でも、民間金融機関の多くが「完済時年齢」「健康状態」「年収」「勤続年数」「返済負担率」を審査項目として重視しています。

たとえばフラット35では、総返済負担率の基準が年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下とされています。
ただし、これは「審査上の上限」に近い考え方です。家計にとって安全かどうかは別問題です。

年収600万円で返済負担率35%なら、年間返済額は210万円、月約17.5万円です。しかし、そこに固定資産税、修繕費、保険料、教育費、車の維持費、老後資金まで加えると、生活に余裕がなくなる可能性があります。

住宅ローンは「銀行が貸してくれるか」ではなく、「家族が安心して暮らし続けられるか」で考えるべきです。

 


 

年収別|住宅ローンの無理しにくい借入額の目安

 

無理の少ない住宅ローンを考えるなら、返済負担率は20〜25%程度を一つの目安にすると現実的です。住宅金融支援機構の2026年1月調査でも、実際の住宅ローン利用者では返済負担率「15%超〜20%以内」が最も多くなっています。

金利1.0%、35年返済、ボーナス返済なしで考えると、おおよその目安は次の通りです。

年収

月返済の目安

借入額の目安

400万円

約7万〜8万円

約2,500万〜2,800万円

500万円

約8万〜10万円

約3,000万〜3,500万円

600万円

約10万〜12万円

約3,700万〜4,200万円

700万円

約12万〜14万円

約4,400万〜5,000万円

800万円

約13万〜16万円

約5,000万〜5,800万円

これはあくまで試算です。実際には、金利、返済期間、頭金、他の借入、家族構成によって変わります。

特に注意したいのは、共働き世帯です。ペアローンや収入合算を使えば借入可能額は増えますが、出産、育休、時短勤務、転職などで世帯収入が変わる可能性もあります。「今の2人の収入」を前提にしすぎると、将来の家計が苦しくなることがあります。

 


 

住宅ローン以外の費用を見落とさない

 

住宅購入で失敗しやすいのは、月々のローン返済だけを見て判断してしまうことです。実際には、購入後も多くの費用がかかります。

戸建てなら、固定資産税・都市計画税、火災保険、地震保険、外壁や屋根の修繕費、設備交換費などが必要です。マンションなら、管理費、修繕積立金、駐車場代が毎月発生します。

さらに、家を買うと家具・家電・カーテン・引越し費用など、購入直後の出費も増えます。国土交通省の住宅市場動向調査でも、住宅取得を契機に耐久消費財の購入費用が発生していることが示されています。

つまり、住宅ローンの返済額だけで「払える」と判断するのは危険です。毎月の住居費は、ローン返済に加えて税金・保険・修繕費まで含めて考える必要があります。

 


 

変動金利を選ぶなら、金利上昇への余白が必要

 

現在も住宅ローンでは変動金利を選ぶ人が多数派です。住宅金融支援機構の2026年1月調査では、利用した金利タイプは変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。

変動金利は当初の返済額を抑えやすい一方、将来の金利上昇リスクがあります。だからこそ、「今の金利でギリギリ払える額」ではなく、「金利が上がっても家計が耐えられる額」で組むことが重要です。

目安としては、金利が1%上がった場合の返済額も試算しておくと安心です。返済額が増えても、教育費、生活費、貯蓄を大きく削らずに済むかを確認しましょう。

住宅ローンは、最安金利を探すこと以上に、家計全体とのバランスが大切です。

 


 

専門家に相談する価値は「借入額を増やすこと」ではない

 

住宅ローン相談というと、「いくらまで借りられるか」を確認する場だと思われがちです。しかし、本当に価値があるのは「いくらまでに抑えるべきか」を一緒に考えられることです。

不動産会社、金融機関、ファイナンシャルプランナーなどに相談する際は、物件価格だけでなく、教育費、老後資金、車の買い替え、親の介護、将来の働き方まで含めて話すことが大切です。

良い住宅購入とは、審査に通ることではありません。買った後も、家族が安心して暮らせることです。

 


 

まとめ

 

住宅ローンで大切なのは、「最大いくら借りられるか」ではなく、「無理なく返し続けられるか」です。審査上は年収に対して30〜35%程度まで返済可能と判断される場合がありますが、実際の家計では20〜25%程度を一つの安全ラインとして考えると、生活の余白を残しやすくなります。

家は、買って終わりではありません。税金、保険、修繕費、教育費、老後資金まで含めて、長く安心できる予算を決めることが大切です。

「借りられる額」ではなく「借りていい額」を知ること。
それが、後悔しないマイホーム購入の第一歩です。

 

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