2026.8.3
【購入編】親から資金援助を受けて家を買うときの贈与税|非課税制度・申告・注意点を解説

「頭金の一部は出してあげるよ」
住宅購入を考え始めたとき、親からそう声をかけてもらうことがあります。京都市伏見区で新築一戸建てや中古住宅、マンションを探している20〜40代にとって、数百万円の援助は住宅ローンの負担を軽くしてくれる心強い支えです。
ただし、親子の間であっても、無条件にお金を受け取れるわけではありません。原則として、個人から財産をもらえば贈与税の対象になります。
住宅購入資金については、一定の条件を満たすことで贈与税が非課税になる制度があります。しかし、対象となる住宅や所得、資金を使う期限などに要件があり、税額がゼロでも申告は必要です。
大切なのは、家を決めてから税金を調べるのではなく、親からお金を受け取る前に、契約・決済・引渡し・入居・申告までの流れを組み立てることです。
親からの住宅購入資金にも贈与税はかかる
親から住宅購入資金を受け取った場合、そのお金は原則として贈与になります。
贈与税の「暦年課税」では、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額から、基礎控除110万円を差し引いて税額を計算します。この110万円は、贈与した人ごとではなく、受け取った人1人につき年間110万円です。
例えば、同じ年に父から100万円、母から100万円を受け取った場合、「それぞれ110万円以下だから非課税」ではありません。受け取った合計200万円から110万円を差し引いた90万円が、原則として課税対象になります。
ただし、住宅の新築・購入・増改築のために、父母や祖父母などの直系尊属から金銭の贈与を受けた場合は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」を利用できる可能性があります。
2026年12月31日までに受けた贈与について、非課税限度額は次のとおりです。
- 省エネ等住宅:受贈者1人につき1,000万円
- それ以外の住宅:受贈者1人につき500万円
暦年課税を選ぶ場合は、この非課税枠を適用した後の残額に、基礎控除110万円を適用できます。そのため、ほかに贈与がなく、すべての要件を満たす場合、省エネ等住宅では最大1,110万円、その他の住宅では最大610万円まで贈与税が生じない計算になることがあります。
ただし、「税金がかからない金額」と「申告しなくてよい金額」は同じではありません。住宅取得等資金の非課税措置を利用する部分については、贈与税額がゼロでも期限内の申告が必要です。
非課税制度を使うための主な条件
住宅取得等資金の非課税措置は、親から住宅購入のためのお金をもらえば自動的に適用される制度ではありません。
受贈者については、主に次の要件があります。
- 贈与者が父母・祖父母などの直系尊属である
- 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上である
- 贈与を受けた年の合計所得金額が原則2,000万円以下である
- 贈与を受けた翌年3月15日までに、受け取った資金の全額を住宅の取得等に充てる
- 取得する住宅について、本人が所有権または共有持分を持つ
- 翌年3月15日までに入居するか、その後遅滞なく入居することが確実である
床面積は、登記簿上40平方メートル以上240平方メートル以下であることが原則です。ただし、40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅では、受贈者の合計所得金額が1,000万円以下でなければなりません。
中古住宅の場合は、原則として1982年1月1日以後に建築された住宅か、一定の耐震基準を満たすことを証明できる住宅などが対象です。
なお、配偶者の親は自分の直系尊属には当たりません。例えば、夫名義の住宅を購入する際に妻の父から夫へ資金を渡しても、この非課税措置は原則として利用できません。妻が父から贈与を受け、妻自身が資金負担に応じた共有持分を取得する方法などを検討する必要があります。
受け取るタイミングは「決済前」が基本
住宅購入資金の贈与では、金額以上にタイミングが重要です。
非課税措置の対象になるのは、住宅の取得代金や一定の増改築費用に充てるための金銭です。先に自分の預貯金や住宅ローンで代金を全額支払い、引渡し後に親からお金を受け取ってローン返済に回した場合、そのお金は住宅の「取得代金」に充てたとは認められない可能性があります。
そのため、一般的には次の順序で進めます。
- 売買契約や建築計画を確認する
- 親子間で贈与金額と贈与日を決める
- 親の口座から子の口座へ振り込む
- その資金を決済代金や建築代金に充てる
- 振込記録や契約書などを保管する
現金を手渡しすると、いつ、誰から、いくら受け取ったのかを説明しにくくなります。親子間でも簡単な贈与契約書を作り、銀行振込で資金の流れを残しておくと安心です。
また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、受贈者が住宅取得等資金の全額を住宅の取得等に充てる必要があります。建売住宅や分譲マンションの場合、原則として同日までに引渡しを受けていなければ適用できないため、年末に贈与を受ける場合は特に注意が必要です。
入居については、翌年3月15日までに居住するか、その後遅滞なく居住することが確実と見込まれる必要があります。翌年12月31日までに入居しなければ、原則として特例を受けられず、修正申告が必要になります。
税額がゼロでも贈与税の申告が必要
住宅取得等資金の非課税措置を利用する場合は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を管轄する税務署へ贈与税の申告書を提出します。
主な添付書類には、次のようなものがあります。
- 受贈者の戸籍謄本など
- 売買契約書や工事請負契約書の写し
- 住宅に関する登記事項
- 省エネ等住宅であることを示す住宅性能証明書など
- そのほか住宅や申告内容に応じて必要となる書類
「非課税限度額以内だから申告はいらない」と考えるのは危険です。この制度は、期限内に申告書と必要書類を提出して初めて適用を受けられます。申告を忘れると、非課税措置を利用できず、贈与税や加算税、延滞税が発生する可能性があります。
また、住宅ローン控除を併用する場合にも注意が必要です。住宅ローン控除の計算では、住宅の取得対価から住宅取得等資金の非課税措置を受けた金額を差し引いて判定する場合があります。贈与を受けた金額を無視して、住宅価格と住宅ローン残高だけで控除額を計算することはできません。
資金負担と住宅の名義を一致させる
親からの資金援助で見落とされやすいのが、住宅の登記名義です。
例えば、夫が住宅ローン3,000万円を借り、妻が自分の親から1,000万円の贈与を受けて、合計4,000万円の住宅を購入したとします。
この場合、単純に考えれば、夫が4分の3、妻が4分の1の資金を負担しています。それにもかかわらず住宅をすべて夫名義にすると、妻から夫へ1,000万円相当の利益が移ったと判断され、夫婦間の贈与が問題になる可能性があります。
反対に、資金をほとんど負担していない人の持分を大きくし過ぎた場合も同様です。
住宅購入では、「誰がいくら出したか」と「誰が何割の持分を持つか」をできるだけ一致させることが基本です。親からの援助額だけでなく、自己資金、住宅ローンの債務者、諸費用の負担まで整理したうえで、登記持分を決める必要があります。
家族の中では一つの財布という感覚でも、税務上は夫・妻・親それぞれが別の個人です。この視点を持つだけで、住宅購入後の思わぬ贈与税リスクを減らせます。
まとめ
親から住宅購入資金の援助を受けることは、借入額や毎月の返済額を抑え、購入後の暮らしに余裕を生み出す有効な方法です。
2026年12月31日までの贈与では、一定の要件を満たせば、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円まで、住宅取得等資金の贈与税が非課税になります。
ただし、制度を利用するには、住宅・所得・年齢などの要件に加え、資金を受け取る日、決済日、引渡し日、入居日、申告期限を一続きのスケジュールとして管理しなければなりません。非課税額以内であっても、期限内申告は必要です。
住宅購入の資金計画を立てる際は、まず次の四つを確認しましょう。
「誰から誰へ贈与するのか」
「いくら受け取るのか」
「いつ受け取り、いつ住宅代金に使うのか」
「資金負担に応じた名義と持分になっているか」
センチュリー21ホームサービス伏見桃山店では、京都市伏見区を中心に、物件価格だけでなく、自己資金や親からの援助、住宅ローンを含めた購入計画をご案内しています。
税制の適用可否や申告方法については、税務署や税理士などの専門家への確認が必要です。親から資金援助を受ける予定がある方は、物件の契約直前ではなく、資金計画を立てる段階で不動産会社と専門家に相談しておくことが、安心できる住宅購入への近道です。
※本記事は2026年8月3日時点の制度に基づいています。住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の現行期限は2026年12月31日です。税制改正や個別事情により取扱いが異なるため、実際の贈与・申告にあたっては税務署または税理士へご確認ください。
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