2026.9.10
≫ 京都市11区の人口第1位は伏見区。約27万人が暮らす「一つの区とは思えないほど多彩なまち」です
「京都市で一番人口が多い区は?」と聞かれたら、どこを思い浮かべるでしょうか。
京都駅のある下京区、中心市街地の中京区、あるいは住宅地が広がる右京区を想像する方も多いかもしれません。
実は答えは、私たちの暮らす伏見区です。
2025年10月1日現在の国勢調査速報値では、伏見区の人口は270,182人。京都市11区の中で最も多く、2位の右京区196,376人を大きく上回っています。
では、なぜ伏見区にはこれほど多くの人が暮らしているのでしょうか。
その理由を探していくと、伏見区が単に「大きな住宅地」なのではなく、伏見桃山、深草、醍醐、向島、淀、久我・羽束師など、歴史も地形も交通も異なる地域が集まってできた区であることが見えてきます。
今回は「京都市で最も人口が多い区」という数字から、伏見区というまちの意外な大きさと多様性をご紹介します。
≫ 今回の秘密
この記事では、次のことが分かります。
・京都市11区で人口が最も多いのは伏見区
・2025年国勢調査速報値では伏見区に約27万人が暮らしている
・伏見区は最初から現在の形だったわけではない
・伏見桃山、深草、醍醐、向島、淀など、性格の違う地域が一つの区をつくっている
・人口の多さだけでは分からない、伏見区で住まいを探すときの大切な視点
≫ 秘密① 京都市で人口が最も多いのは「伏見区」
結論からいうと、京都市11区の中で人口が最も多い行政区は伏見区です。
京都市が公表した2025年国勢調査の速報値によると、2025年10月1日現在の行政区別人口は、伏見区が270,182人で第1位でした。
第2位は右京区の196,376人、第3位は左京区の162,387人です。
つまり伏見区は、2位の右京区より約7万4千人も人口が多いことになります。
京都市全体の人口は1,431,713人ですから、単純計算すると京都市民のおよそ5人に1人が伏見区に暮らしていることになります。
「伏見」というと、伏見稲荷大社、伏見桃山城、酒蔵、寺田屋などを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、人口という視点から見ると、伏見区は京都を代表する観光・歴史エリアであると同時に、京都市最大の人口を抱える巨大な「暮らしのまち」でもあるのです。
なお、人口は調査時点や「国勢調査」「推計人口」「住民基本台帳人口」など統計の種類によって数字が異なります。この記事では、行政区同士を同じ基準で比較できる2025年国勢調査の京都市速報値を基準としています。
≫ 秘密② 伏見区は「一つの大きな町」ではなく、いくつもの地域の集合体
伏見区の人口が多い理由を考えるうえで重要なのが、その範囲です。
伏見区の面積は61.62平方キロメートル。東西約16.06キロメートル、南北約11.26キロメートルに広がっています。
区内を歩いてみると、「同じ伏見区なの?」と思うほど景色が変わります。
伏見桃山・中書島周辺には、酒蔵、水路、商店街、城下町の歴史があります。
深草には伏見稲荷大社や大学があり、京阪本線やJR奈良線、地下鉄烏丸線につながる交通環境があります。
東へ行けば醍醐・日野・石田・小栗栖などの地域が広がり、地下鉄東西線を生活の足として利用する地域があります。
南には向島、西側には久我・羽束師、さらに淀や納所などがあります。
地形も、桃山丘陵や醍醐山地の高い場所から、宇治川周辺の低地まで実にさまざまです。
伏見区の最高標高は醍醐山地の陀羅谷で602メートル、最低標高は向島新田の9.2メートルと京都市が公表しています。
一つの区の中に、山、高台、平地、川沿い、古い市街地、大規模な住宅地がある。
この地域の広がりと多様性が、大きな人口を受け止める伏見区の特徴なのです。
≫ 秘密③ 伏見区は1931年に誕生し、その後も地域が加わって現在の形になった
ここで知っておきたいのが、現在の伏見区が最初から一つの地域だったわけではないことです。
伏見区が誕生したのは1931年(昭和6年)です。
京都市の資料によると、伏見市、深草町、醍醐村など9市町村が京都市へ合併・編入され、伏見区が誕生しました。
さらに1950年(昭和25年)には羽束師村と久我村、1957年(昭和32年)には淀町が編入され、現在につながる伏見区の範囲が形づくられていきます。
つまり現在の伏見区は、もともと別々の歴史を歩んできた町や村が、長い時間をかけて一つの行政区になった地域なのです。
だからこそ、地域ごとに「顔」が違います。
伏見桃山には城下町・港町・酒造の歴史があり、深草には伏見稲荷大社を中心とする歴史や街道の文化があります。
醍醐には醍醐寺をはじめとする山麓の歴史があり、淀には淀城や京都と大坂を結ぶ交通の歴史があります。
「伏見区」という一つの名前だけでは説明しきれないほど、それぞれの地域に独自の物語があるのです。
≫ 秘密④ 約27万人の伏見区は、行政サービスも一か所だけではない
人口が多く、東西にも広い伏見区。その特徴は行政の仕組みにも表れています。
伏見区には鷹匠町の伏見区役所だけでなく、深草支所と醍醐支所があります。
さらに、久我・羽束師方面を担当する神川出張所、淀・納所方面などを担当する淀出張所があります。
例えば住所に「深草」と付く地域は原則として深草支所、「醍醐」「日野」「石田」「小栗栖」と付く地域は醍醐支所の管轄です。
「久我」「羽束師」は神川出張所、「淀」「納所」などは淀出張所が担当しています。
これは伏見区を理解するうえで、とても面白いポイントです。
地図では一つの「伏見区」と表示されますが、実際の暮らしは複数の生活圏によって成り立っています。
伏見桃山へ買い物に行く人、藤森周辺を生活圏にする人、地下鉄醍醐駅を中心に暮らす人、淀駅を利用する人では、普段使う駅も道路も商業施設も大きく異なります。
「伏見区に住む」という言葉だけでは、その暮らし方までは分からないのです。
≫ 秘密⑤ 人口が多い理由は「一つの人気エリア」だからではない
「人口が京都市で一番多いなら、伏見区全体が同じように住宅地として人気なの?」と思うかもしれません。
ここは少し注意が必要です。
伏見区の人口が多い背景には、広い区域の中に多様な住宅地と生活圏が存在していることがあります。
鉄道も、京阪本線・宇治線、近鉄京都線、JR奈良線、京都市営地下鉄烏丸線・東西線など、地域によって利用する路線が変わります。
一方で、駅から離れた場所ではバスや自動車、自転車が日常の移動手段として重要になる地域もあります。
戸建住宅が多い地域、マンションが集まる地域、昔ながらの町家や住宅が残る地域、新しく住宅が建つ地域など、住宅の姿も一様ではありません。
ですから「伏見区は人口が多い」という統計だけで、特定の地域の住みやすさや不動産価値まで判断することはできません。
むしろ伏見区の面白さは、暮らし方に合わせて異なる地域を比較できるところにあります。
同じ伏見区でも、駅までの距離、坂道、道幅、買い物環境、周辺の地形などを実際に歩いて比べると、それぞれの地域の個性がよく見えてきます。
≫ 地元民しか知らない豆知識
|伏見区の中だけで「住所によって行く役所が違う」ことがある
伏見区民には当たり前でも、他の地域から引っ越してきた方には意外なのが、伏見区内に区役所・支所・出張所が複数あることです。
しかも、その管轄は町名を見ると分かりやすい地域があります。
・「深草」が付く住所は原則として深草支所
・「醍醐」「日野」「石田」「小栗栖」は醍醐支所
・「久我」「羽束師」は神川出張所
・「淀」「納所」などは淀出張所
京都市内で最も人口が多い伏見区だからこそ、一つの区役所だけではなく、地域ごとに行政窓口が設けられているのです。
住所を見るだけで「この辺りは伏見区のどの生活圏なのか」が少し見えてくるのも、地域を知る面白さです。
≫ 実際に歩いてみよう
人口27万人の伏見区を一日で歩くことはできません。
そこで今回は、「伏見区の中心部が、歴史の町であると同時に現在も生活の町であること」を感じられる伏見桃山周辺を歩いてみましょう。
|おすすめ散策ルート
京阪伏見桃山駅・近鉄桃山御陵前駅
↓
伏見大手筋商店街
↓
伏見区役所周辺
↓
御香宮神社
↓
酒蔵の町並み
↓
宇治川派流
↓
京阪中書島駅
寄り道を含めて1時間30分から2時間ほどを目安にすると、無理なく楽しめます。
歩くときに注目してほしいのは、観光名所だけではありません。
商店街で買い物をする人、駅へ向かう人、住宅地へ続く道、学校や公共施設、水辺の散歩道など、「ここで暮らす人の日常」に目を向けてみてください。
伏見が観光地である前に、たくさんの人が毎日生活している町であることが実感できます。
御香宮神社から東側は桃山丘陵へ向かって高低差が出てきます。一方、西側の大手筋商店街から酒蔵・中書島方面へは比較的平坦な場所が多くなります。
住宅地を歩く際は、私有地へ入らず、大声を出したり通行を妨げたりしないよう、地域の暮らしに配慮しながら散策しましょう。
≫ センチュリー21ホームサービス伏見桃山店からひとこと
「伏見区で家を探したい」というご相談をいただいたとき、私たちが大切だと考えているのは、まず「伏見区のどんな暮らしが合っているのか」を考えることです。
伏見桃山、丹波橋、深草、藤森、竹田、向島、醍醐、石田、淀、久我・羽束師などでは、利用しやすい鉄道やバス、道路、買い物環境、地形、住宅の種類が異なります。
物件情報だけを見ると、駅徒歩何分、面積何平方メートル、築何年という数字が中心になります。しかし実際の暮らしでは、坂道の勾配、道路の幅、駅までの道、朝夕の交通量、買い物動線なども大切です。
約27万人が暮らす大きな伏見区だからこそ、「伏見区」という一言で選ばず、地域を実際に歩いて比べてみる。それが、自分たちの暮らしに合う場所を見つける第一歩だと思います。
≫ 編集後記
「京都市で一番人口が多い区は伏見区」。
答えだけなら、それで終わる小さなクイズです。
でも、その数字の向こう側を見ていくと、伏見市、深草町、醍醐村、羽束師村、久我村、淀町など、それぞれの歴史を持った地域がつながり、現在の大きな伏見区になったことが見えてきます。
酒蔵のある町も、大学のある町も、山沿いの住宅地も、川辺の町も、すべて同じ伏見区です。
約27万人という数字は、伏見が一色ではないことの表れなのかもしれません。
今度伏見を歩くときは、「ここから先はどんな伏見だろう?」と少し遠くまで足を延ばしてみてください。知っているはずの伏見に、まだ知らない景色がきっとあります。
≫ FAQ|京都市で最も人口が多い区についてよくある質問
Q1.京都市で最も人口が多い区はどこですか?
伏見区です。2025年10月1日現在の国勢調査速報値では270,182人で、京都市11区の中で最も多くなっています。
Q2.京都市で2番目に人口が多い区はどこですか?
右京区です。2025年国勢調査速報値では196,376人で、伏見区に次いで2番目となっています。
Q3.伏見区には京都市民の何人に1人くらいが住んでいますか?
2025年国勢調査速報値では、京都市全体1,431,713人に対して伏見区は270,182人です。単純計算すると約18.9%で、およそ5人に1人に近い割合です。
Q4.伏見区はいつ誕生したのですか?
1931年(昭和6年)です。伏見市、深草町、醍醐村など9市町村が京都市へ合併・編入されて誕生し、その後、羽束師村、久我村、淀町が編入されて現在につながる区域になりました。
Q5.伏見区はどのような地域に分かれていますか?
伏見桃山・中書島周辺、深草、醍醐、向島、淀、久我・羽束師など、歴史や地形、交通環境の異なる地域があります。行政上も伏見区役所のほか、深草支所、醍醐支所、神川出張所、淀出張所が設けられています。
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