step1:相続税はかかる?まずは遺産総額と基礎控除を確認しましょう

≫ 相続税がかかるかどうかは、まず「遺産総額」を知ることから始まります
「相続税はどのくらいかかるのだろう?」
「うちは相続税の対象になるのだろうか?」
相続について考え始めると、このような疑問を持たれる方は少なくありません。
しかし、相続が発生したからといって、必ず相続税がかかるわけではありません。
相続税を計算する第一歩は、「遺産がどれくらいあるのか」を把握し、基礎控除額と比較することです。
まずは、相続財産にはどのようなものが含まれるのかを確認してみましょう。
≫ 遺産とは?
相続財産(遺産)とは、亡くなられた方(被相続人)が所有していた財産のことです。
相続財産には、現金や不動産などの「プラスの財産」だけでなく、借入金などの「マイナスの財産」も含まれます。
|プラスの財産
- 現金・預貯金
- 土地・建物・マンション
- 株式・投資信託などの有価証券
- 暗号資産(仮想通貨)
- 貸付金
- 借地権・借家権
- 自動車
- 貴金属・宝石
- 絵画・骨董品
- ゴルフ会員権
- その他、経済的価値のある財産
また、生命保険金や死亡退職金は、一定の場合には相続税の対象となる財産(みなし相続財産)として取り扱われます。
|マイナスの財産
- 住宅ローンなどの借入金
- 各種ローン
- クレジットカードの未払金
- 未払医療費
- 未払いの税金
- 買掛金・その他の未払金
なお、お墓や仏壇、仏具などの祭祀財産は、原則として相続税の課税対象にはなりません。
≫ 正味の遺産額とは?
相続税は、プラスの財産だけで計算するわけではありません。
まず、プラスの財産から借入金や未払金などのマイナスの財産を差し引き、「正味の遺産額」を計算します。
正味の遺産額 = プラスの財産 − マイナスの財産
さらに、生命保険金や死亡退職金など、一定の財産を加算して相続税の課税価格を計算します。
生命保険金・死亡退職金には、法定相続人が取得した場合に限り、次の非課税限度額があります。
500万円 × 法定相続人の数
≫ 基礎控除とは?
基礎控除とは、「この金額までは相続税がかからない」という非課税枠です。
課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
基礎控除額は、次の計算式で求めます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
|基礎控除額の早見表
| 法定相続人 | 基礎控除額 |
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
|計算例
相続人が
- 妻
- 子ども2人
合計3人の場合
基礎控除額は
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
となります。
≫ 相続税がかかるかどうかの流れ
相続税は、次の順番で計算します。
① プラスの財産を合計する
↓
② 借入金などのマイナスの財産を差し引く
↓
③ 正味の遺産額を計算する
↓
④ 一定の加算対象財産を反映する
↓
⑤ 基礎控除額を差し引く
↓
⑥ 残った金額(課税遺産総額)がある場合、相続税の対象になります。
≫ 生前贈与をしている場合は注意しましょう
相続開始前の一定期間内に贈与した財産は、相続税の計算対象となる場合があります。
また、「相続時精算課税制度」を利用して贈与した財産も、相続税の計算に影響することがあります。
生前贈与をされている場合は、事前に確認しておくことが大切です。
≫ 相続税は「土地」が大きなポイントになることがあります
現金はそれほど多くなくても、ご自宅や土地を所有している場合は、相続税の対象となるケースがあります。
一方で、土地には評価額を大きく減額できる制度もあり、適用できる特例によって相続税額が大きく変わることがあります。
そのため、「土地があるから相続税が高い」と決めつけるのではなく、正しい評価を行うことが大切です。
≫ 次の章では…
次は、不動産の評価方法について解説します。
土地・建物・マンションはどのように評価されるのか、また、相続税を大きく軽減できる「小規模宅地等の特例」について、分かりやすくご説明します。
| step2:不動産の評価方法と相続税の特例≫ |
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