2026.9.8
【購入編】中古住宅+リフォームを住宅ローンで一本化する方法|費用の考え方と手続きの流れ

「中古住宅を購入して、キッチンや浴室を新しくしたい」
「新築では予算が合わないけれど、中古住宅を自分たち好みにリフォームして暮らしたい」
そんな住まいの選び方が気になったとき、最初に考えておきたいのが資金計画です。
中古住宅を購入してリフォームする場合、「住宅購入は住宅ローン、リフォームは別のリフォームローン」と考える方も多いでしょう。しかし金融機関や住宅ローン商品によっては、中古住宅の購入資金とリフォーム資金をまとめて住宅ローンの対象にできる場合があります。
いわゆる「リフォーム一体型住宅ローン」などと呼ばれる仕組みです。
うまく活用できれば、購入後にリフォームローンを別途借りるより資金計画をまとめやすく、自己資金を手元に残せる可能性もあります。
ただし、ここには注意点があります。
中古住宅+リフォームでは、「物件を買ってから工事を考える」のでは少し遅いことがあります。
物件探し・リフォーム計画・住宅ローンをほぼ同時に動かす。
これが、中古住宅+リフォームを成功させる重要なポイントです。
中古住宅の購入費用とリフォーム費用は住宅ローンにまとめられる?
結論からいうと、金融機関や住宅ローン商品の条件を満たせば、中古住宅の購入資金とリフォーム資金をまとめて住宅ローンとして申し込める場合があります。
たとえば、
中古住宅購入費 2,500万円
リフォーム費 600万円
という計画なら、合計3,100万円を住宅取得・リフォームの資金として住宅ローンの対象にできる商品があります。
ただし、「一本化」という言葉には注意が必要です。
住宅購入代金は物件の引渡し時、リフォーム代金は着工時や完成時など、実際にお金が必要になるタイミングが異なります。
そのため金融機関によっては、住宅購入時とリフォーム時に分けて融資を実行する「分割融資」などの仕組みを利用する場合があります。
商品によっては、リフォーム工事が完了するまで本融資が実行されず、物件購入代金の支払いに「つなぎ融資」が必要になるケースもあります。
したがって確認したいのは、
「リフォーム費用を住宅ローンに含められるか」だけではなく、「いつ、どのように融資されるのか」まで確認することです。
一本化するメリットは?
メリットの一つは、資金計画をまとめやすくなることです。
一般に無担保型のリフォームローンは、住宅ローンとは金利や返済期間などの商品設計が異なります。
住宅ローンとリフォームローンを別々に契約すると、
住宅ローンの返済
+
リフォームローンの返済
という二つの返済を抱えることになります。
一方、購入費とリフォーム費を住宅ローンとして組み立てられれば、長期の返済計画として整理できる可能性があります。
ただし、借入額そのものが増えれば利息を含めた総返済額も増えます。
「一本化できる=借りられるだけ借りる」のではなく、毎月いくらなら無理なく返せるのかを基準に考えることが大切です。
「物件価格+リフォーム代」ではなく総予算を見る
中古住宅+リフォームで資金計画を立てる際、
「物件2,500万円+リフォーム600万円=3,100万円」
だけで考えてしまうのはおすすめできません。
住宅購入には、仲介手数料、登記関係費用、住宅ローン関連費用、火災・地震保険料、税金などの諸費用が発生することがあります。
リフォームにも、設備や内装工事だけではなく、設計、解体、廃材処分などの費用が含まれる場合があります。
さらに中古住宅ならではの注意点があります。
床や壁を撤去してみると、
「下地が想像以上に傷んでいた」
「給排水管も交換した方がよい」
「雨漏りの補修が必要だった」
といった追加工事が必要になる可能性があります。
だからこそ資金計画は、
物件価格+リフォーム費用+購入諸費用+工事関連費用+予備費
という「住める状態になるまでの総額」で考えることが重要です。
ここで、中古住宅探しの考え方が変わります。
仮に総予算が3,500万円なら、「3,500万円の物件を探す」のではありません。
リフォームに500万円、諸費用等にも一定額を見込むなら、その分を差し引いて物件価格の上限を考える必要があります。
つまり、中古住宅+リフォームでは、
「いくらの家を買えるか」ではなく、「総額いくらで、どんな暮らしをつくるか」
という発想が大切なのです。
成否を分けるのは「手続きの順番」
中古住宅+リフォームの住宅ローンでは、通常の中古住宅購入以上にスケジュール管理が重要です。
STEP1 総予算を決める
まず、自己資金と住宅ローンを含めた総予算を考えます。
「借りられる金額」だけでなく、購入後の固定資産税、管理費・修繕積立金、将来の修繕費なども考え、「無理なく返せる金額」を基準にします。
STEP2 住宅ローンの商品を確認する
物件を決める前から、購入費とリフォーム費を住宅ローンに含められる金融機関・商品があるか確認しておきます。
特に、
・リフォーム費用の上限
・対象となる工事
・必要な見積書や工事請負契約書
・融資実行のタイミング
・分割融資やつなぎ融資の有無
などを確認します。
STEP3 中古住宅を探す
価格や立地だけではなく、「希望するリフォームができる住宅か」という視点で探します。
戸建てなら構造や建物状態、マンションなら管理規約や共用部分との関係なども重要です。
STEP4 リフォーム会社に現地を確認してもらう
購入候補が絞れたら、できるだけ早い段階でリフォーム会社にも相談します。
希望する工事が可能か確認し、概算見積もりを作成してもらいます。
STEP5 住宅ローン審査を進める
物件価格だけではなく、リフォーム費用を含めた資金計画で金融機関へ相談します。
金融機関や商品によっては、リフォーム工事の見積書や工事内容が分かる書類などの提出が必要になります。
STEP6 売買契約・工事契約
融資条件や住宅ローン特約などを確認したうえで売買契約を進めます。
リフォームについても工事内容、金額、支払時期などを確認します。
STEP7 決済・引渡し・リフォーム工事
住宅購入代金とリフォーム代金では支払時期が異なるため、金融機関・不動産会社・リフォーム会社でスケジュールを共有しておくことが重要です。
金融機関の商品によっては分割融資やつなぎ融資が必要になるため、決済直前ではなく早い段階で確認しておきましょう。
「安い中古住宅」が結果的に安いとは限らない
中古住宅+リフォームでは、物件価格の安さに目が向きがちです。
しかし、不動産会社として特にお伝えしたいのは、「安く買える物件」と「総額を抑えられる物件」は同じではないということです。
例えば築年数の古い戸建ての場合、
屋根
外壁
給排水管
電気設備
断熱
耐震性能
床下
などまで改修が必要になれば、内装や水回りだけを想定していた当初の予算から大きく変わることがあります。
逆に、物件価格が多少高くても建物の状態が良ければ、リフォーム費用を抑えられ、結果的に総額では有利になることもあります。
その判断材料の一つになるのが、建物状況調査(インスペクション)です。
もちろんインスペクションですべての不具合を発見できるわけではありませんが、建物の状態を把握し、購入後に必要となりそうな修繕を考える材料になります。
中古住宅を見るときは、現在の見た目だけでなく、
「この住宅を、自分たちが希望する状態にするまで総額いくらかかるのか」
という視点で比較すると、物件選びが大きく変わります。
住宅ローン減税やリフォーム減税も確認する
中古住宅購入やリフォームでは、一定の要件を満たせば住宅ローン減税などの税制上の措置を利用できる場合があります。
2026年度税制改正では住宅ローン減税の適用期限が延長され、既存住宅についても住宅性能や床面積、所得、借入期間などに応じた要件が設けられています。
また、一定のリフォームについては、住宅ローンを利用した増改築に関する住宅ローン減税や、対象工事に応じたリフォーム促進税制などが利用できる場合があります。
ただし、住宅ローンにリフォーム費用を組み込んだだけで、自動的にすべての工事が税制優遇の対象になるわけではありません。
対象住宅、工事内容、工事費、入居時期、所得、借入期間、必要な証明書などによって適用の可否が変わります。
税制については契約前から最新情報を確認し、必要に応じて税務署や税理士などの専門家へ確認することをおすすめします。
まとめ
中古住宅の購入費用とリフォーム費用は、金融機関や住宅ローン商品の条件を満たせば、一体的な住宅ローンとして資金計画を組める場合があります。
ただし、大切なのは単に「ローンを一本にすること」ではありません。
物件探し・リフォーム計画・住宅ローンを最初から一つの計画として考えることです。
中古住宅+リフォームでは、
「物件を購入する」
↓
「その後でリフォームを考える」
ではなく、
「どんな暮らしを実現したいか」
↓
「リフォームにいくら必要か」
↓
「諸費用を含めた総予算はいくらか」
↓
「その予算なら、いくらの中古住宅を探すべきか」
という順番で考えてみてください。
同じ3,500万円の予算でも、「3,500万円の中古住宅を買う」のと「2,800万円の住宅を購入して700万円かけて暮らしに合わせる」のとでは、住まい選びの可能性は大きく変わります。
中古住宅の魅力は、単に新築より価格を抑えられる可能性があることだけではありません。
予算を「物件」と「住み心地」にどう配分するか、自分たちで考えられること。
そこに、中古住宅+リフォームという住まい選びの面白さがあります。
中古住宅を購入してリフォームしたい方は、物件探しを始める段階で、不動産会社へ「リフォームまで含めた総予算」と「住宅ローンへの一本化を検討していること」を伝えておくとよいでしょう。
物件・リフォーム・住宅ローンを別々に考えず、一つの住まいづくりとして計画することが、予算オーバーを防ぎ、理想の暮らしへ近づく第一歩です。
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