2026.7.27
【購入編】変動金利が上がったら住宅ローン返済額はどうなる?金利別シミュレーションで無理のない借入額を考える

住宅購入を考え始めたとき、「変動金利なら毎月の返済を抑えられそう」と感じる方は多いでしょう。一方で、ニュースで金利上昇という言葉を耳にすると、「数年後に返済額が大きく増えたらどうしよう」と不安になるものです。
住宅ローンは、現在の金利だけで判断するものではありません。大切なのは、金利が上昇した場合の返済額をあらかじめ試算し、教育費や生活費を払いながら、どこまでなら無理なく返済できるかを確認しておくことです。
この記事では、4,000万円を35年間借りたケースを例に、金利別の返済額を比較します。単に「いくら借りられるか」ではなく、「返済額が増えても暮らしを守れるか」という視点から、住宅ローンの考え方を整理していきましょう。
変動金利は「金利」と「返済額」が同時に変わるとは限らない
変動金利型住宅ローンは、市場金利などの動きに応じて、借入期間中の適用金利が見直される商品です。一般的には固定金利型より当初の適用金利が低く、借入直後の返済額を抑えやすいことが大きな特徴です。
ただし、「金利が上がった翌月から、返済額もすぐ増える」とは限りません。
元利均等返済の変動金利型では、適用金利を半年ごとに見直しながら、毎月の返済額は5年間変えない「5年ルール」や、見直し後の返済額を従来の125%以内に抑える「125%ルール」を採用している金融機関があります。
例えば、毎月10万円を返済している場合、125%ルールが適用されれば、次回の見直し時の返済額は最大12万5,000円に抑えられます。
しかし、この仕組みは返済負担そのものを減らす制度ではありません。金利が上昇しても返済額が据え置かれている間は、毎月の返済額に占める利息の割合が増え、元金の減り方が遅くなります。金利が大きく上昇すると、未払利息が発生する可能性もあります。
また、5年ルールや125%ルールを採用していない金融機関や商品もあります。元金均等返済では、同様の上限が設けられていない場合もあるため、契約前には返済額の見直し方法まで確認することが重要です。
金利が違うと毎月の返済額はいくら変わる?
まず、金利の違いによる返済額を比較してみましょう。
【シミュレーション条件】
- 借入額:4,000万円
- 返済期間:35年
- 元利均等返済
- ボーナス返済なし
- 諸費用、保証料、団体信用生命保険の上乗せ金利などは含めない
ここでは比較を分かりやすくするため、それぞれの金利が借入当初から35年間変わらないものとして計算しています。
|
年利 |
毎月返済額の目安 |
年0.5%との差 |
総返済額の目安 |
|
0.5% |
約10万3,800円 |
― |
約4,361万円 |
|
1.0% |
約11万2,900円 |
約9,100円増 |
約4,742万円 |
|
1.5% |
約12万2,500円 |
約1万8,700円増 |
約5,144万円 |
|
2.0% |
約13万2,500円 |
約2万8,700円増 |
約5,565万円 |
年0.5%と年2.0%を比べると、毎月の返済額には約2万8,700円、総返済額には約1,200万円の差が生じます。
ただし、この表は「現在返済中のローン金利が途中から上昇した場合の実際の返済額」を示したものではありません。
返済途中で金利が上がった場合は、その時点のローン残高、残りの返済期間、金利の上昇幅、金融機関の返済額見直しルールによって結果が変わります。借入直後に金利が上がる場合と、20年返済した後に上がる場合とでは、家計への影響は同じではないのです。
それでも、この比較から分かるのは、金利が1%程度違うだけでも、月々では数万円、長期では数百万円以上の差になり得るということです。
判断基準は「今払える額」ではなく「上がっても払える額」
住宅ローンを検討するとき、多くの方は現在提示されている金利で毎月返済額を計算します。
例えば、年0.5%で4,000万円を借りた場合、毎月返済額は約10万4,000円です。この金額だけを見ると、「今の家賃とあまり変わらないから大丈夫」と感じるかもしれません。
しかし、試算上の金利を年1.5%にすると約12万2,500円、年2.0%にすると約13万2,500円になります。
ここで考えたいのは、「将来、毎月の返済が2万円、3万円増えても、今と同じように貯蓄を続けられるか」ということです。
子育て世帯では、住宅購入後に保育料、習い事、進学費用、車の買い替えなどが重なることがあります。購入時には共働きでも、出産や転職、介護などによって一時的に世帯収入が減る可能性もあります。
銀行の融資審査では、年収に対する年間返済額の割合である「返済負担率」が確認されます。例えばフラット35では、住宅ローン以外の自動車ローンや教育ローンなども含め、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下という基準が設けられています。
ただし、これは審査上の基準であり、各家庭が安心して生活できる上限を示すものではありません。
同じ年収でも、子どもの人数、保有する車、生活費、将来の教育方針によって、無理のない返済額は異なります。「借りられる金額」と「返し続けられる金額」を分けて考えることが、住宅購入後の安心につながります。
金利上昇に備えるための3つの確認
1.金利を上げた状態でも試算する
住宅ローンを組む前に、現在の適用金利だけでなく、金利が1%、1.5%、2%になった場合の返済額も確認しましょう。
例えば、現在の返済予定額が月10万円でも、金利上昇後に月13万円になる可能性を想定しておけば、その差額3万円を毎月貯蓄するという準備もできます。
実際に差額を貯められれば、家計に余力があることを確認できます。難しい場合は、借入額や購入予算を見直すサインになります。
2.手元資金を使い切らない
頭金を多く入れれば借入額は減りますが、購入後の預貯金がほとんど残らなければ、急な出費に対応できません。
住宅購入後には、引っ越し代、家具や家電の購入費、固定資産税、修繕費なども必要です。マンションでは管理費や修繕積立金、戸建てでは将来の外壁や屋根、設備の修繕費も考えておく必要があります。
繰上返済を急ぐより、まずは生活費の数か月分など、一定の生活防衛資金を残しておくことが大切です。
3.金利だけでなく返済ルールを確認する
変動金利を比較するときは、適用金利の低さだけに目を向けないようにしましょう。
確認したいのは、次のような項目です。
- 金利はいつ見直されるのか
- 返済額はいつ変更されるのか
- 5年ルール、125%ルールはあるか
- ルールが適用される返済方式か
- 金利優遇が途中で変わる条件はないか
- 繰上返済や借り換えに手数料がかかるか
住宅ローンは、金利が低い商品が必ずしも自分に最適とは限りません。仕組みを理解し、家計に合う商品を選ぶことが大切です。
まとめ
変動金利型住宅ローンは、当初の返済額を抑えやすい一方で、将来の金利上昇によって利息負担や返済額が増える可能性があります。
4,000万円を35年間借りる試算では、年0.5%と年2.0%で毎月の返済額に約2万8,700円の差が生じました。家計にとって月3万円近い増加は、決して小さなものではありません。
だからといって、変動金利を必要以上に怖がる必要もありません。
重要なのは、現在の低い金利だけで購入予算を決めず、金利が上昇した場合にも返済を続けられるかを確認しておくことです。
住宅ローンの安心は、「毎月ぎりぎり払える」という状態ではなく、教育費を積み立て、家族で出かけ、ときには予定外の出費にも対応できる余白から生まれます。
センチュリー21ホームサービス伏見桃山店では、物件価格だけでなく、住宅ローンの金利上昇や将来のライフイベントも踏まえた資金計画をご提案しています。
「いくら借りられるか」から一歩進んで、「金利が上がっても、家族らしい暮らしを続けられるか」。その視点を持つことが、後悔の少ない住宅購入につながります。
※シミュレーションは概算です。実際の適用金利、返済額、金利見直し時期、団体信用生命保険の条件、各種手数料などは金融機関や商品によって異なります。掲載時には特定の金融機関で個別条件をご確認ください。
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