地震・火事・寒さに強い家とは?住宅性能表示の見方をわかりやすく解説

2026.6.7

【番外編】地震・火事・寒さに強い家とは?住宅性能表示の見方をわかりやすく解説

「地震に強い家を選びたい」「火事に備えたい」「冬でも暖かく、子どもが快適に過ごせる家がいい」

住宅購入を考える方にとって、住まいの安心・安全はとても大切なテーマです。

しかし、物件資料を見ても「耐震等級」「断熱等性能等級」「住宅性能表示」など、専門用語が並んでいて、何をどう比較すればよいのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで役立つのが、住宅の性能を客観的に確認できる「住宅性能表示制度」です。

住宅性能表示は、住宅の安全性や快適性を共通の基準で評価する、いわば「住まいの成績表」のようなものです。この記事では、特に子育て世代が確認しておきたい「地震」「火災」「寒さ・暑さ」に関する性能の見方をわかりやすく解説します。

 


 

住宅性能表示制度とは?家の性能を比べるための共通基準

 

住宅性能表示制度とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律、いわゆる品確法に基づいてつくられた制度です。

住宅の性能を国が定めた共通ルールで評価し、第三者機関である登録住宅性能評価機関が確認する仕組みです。

住宅性能評価書には、大きく分けて2種類あります。

1つ目は「設計住宅性能評価書」です。これは、設計図面の段階で住宅の性能を評価するものです。

2つ目は「建設住宅性能評価書」です。こちらは、実際の工事中や完成時の検査を経て評価されるものです。

つまり、設計上の性能だけでなく、実際にその内容に沿って建てられているかを確認できる点が大きな特徴です。

ただし、住宅性能表示制度はすべての住宅に義務付けられているわけではありません。取得している住宅もあれば、取得していない住宅もあります。そのため、物件を比較する際には「住宅性能評価書がありますか」と確認することが大切です。

 


 

地震に強い家を見極めるポイントは「耐震等級」

 

日本で家を選ぶうえで、まず確認したいのが地震への強さです。

住宅性能表示では、地震に対する建物の強さを「耐震等級」で表します。耐震等級は1から3まであり、数字が大きいほど高い耐震性能を示します。

耐震等級1は、建築基準法で求められる最低限の耐震性能です。大きな地震が起きた場合でも、倒壊や崩壊を防ぐことを目的とした水準です。

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震力に対して倒壊・崩壊しにくい性能を持つ水準です。

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震力に対して倒壊・崩壊しにくい性能を持つ、住宅性能表示制度上で最も高い等級です。

ここで大切なのは、「地震に強い家」とは、単に倒れにくい家というだけではないということです。

大地震の後、家族がその家で生活を続けられるか。修繕費を抑えられる可能性があるか。避難生活を長期化させずに済むか。

このように考えると、耐震性能は「命を守る性能」であると同時に、「暮らしを守る性能」でもあります。

特に子育て世代にとっては、子どもが家にいる時間、就寝中、家族が離れている時間など、さまざまな場面を想定して住まいを選ぶことが大切です。

 


 

火災への備えは「燃えにくさ」だけでなく「逃げやすさ」も見る

 

火災への備えというと、建物が燃えにくいかどうかに注目しがちです。

もちろん、外壁や屋根、開口部などの延焼対策は重要です。しかし住宅性能表示で見るべき火災時の安全は、それだけではありません。

火災時に大切なのは、次の3つです。

まず、火災に早く気づけること。

次に、安全に避難する時間を確保できること。

そして、隣家や周囲からの延焼リスクを抑えられることです。

住宅性能表示では、火災警報装置の設置、避難のしやすさ、開口部や外壁などの延焼対策に関する項目が設けられています。

特に京都市内のように、住宅が密集している地域では、自宅から出火するリスクだけでなく、近隣から火をもらうリスクも考えておく必要があります。

また、火災への備えは建物性能だけで完結するものではありません。住宅用火災警報器の維持管理、避難経路の確保、コンロ周辺の整理、電気配線の確認など、日常の暮らし方も重要です。

住宅購入時には、「燃えにくいか」だけでなく、「早く気づけるか」「逃げやすいか」「延焼を受けにくいか」という視点で確認しましょう。

 


 

寒さ・暑さに強い家は「断熱等性能等級」で確認する

 

近年、住宅選びで重視されるようになっているのが断熱性能です。

断熱性能とは、外の暑さや寒さの影響をどれだけ室内に伝えにくくするかを示す性能です。

住宅性能表示では、主に「断熱等性能等級」や「一次エネルギー消費量等級」によって、省エネ性や快適性を確認できます。

断熱等性能等級は、数字が大きいほど断熱性能が高いことを示します。以前は等級4が高い水準とされていましたが、現在はさらに上位の等級5・6・7も設けられています。

断熱性能が高い住宅には、次のようなメリットがあります。

冬は室内の熱が逃げにくく、暖房効率が高まりやすくなります。部屋ごとの温度差も小さくなりやすいため、浴室やトイレでの急激な温度変化によるヒートショック対策にもつながります。

夏は外気の熱が入りにくく、冷房効率が高まりやすくなります。結果として、光熱費の負担を抑えやすくなる点もメリットです。

また、小さな子どもがいる家庭では、室温の安定は健康管理にも関わります。夜中に寒くて目が覚める、夏に寝苦しい、結露でカビが発生しやすいといった悩みを減らせる可能性があります。

断熱性能は、住んでから毎日実感する性能です。見た目では分かりにくいからこそ、等級という客観的な指標で確認することが大切です。

 


 

住宅性能表示は「価格」ではなく「長く住む価値」を見るためのもの

 

住宅購入では、どうしても価格、立地、間取りに目が向きます。

もちろん、それらは大切です。しかし、同じように見える家でも、性能によって住み心地や将来の安心感は大きく変わります。

たとえば、少し価格が高い住宅でも、耐震性能が高く、断熱性能にも優れていれば、長い目で見たときに安心感や快適性、光熱費の面でメリットが出る場合があります。

反対に、購入価格だけを優先してしまうと、住み始めてから「冬が寒い」「結露が多い」「地震が不安」といった不満につながることもあります。

住宅性能表示は、家を「安い・高い」だけで判断しないための物差しです。

大切なのは、すべての項目で最高等級を求めることではありません。予算や家族構成、暮らし方に合わせて、どの性能を優先するかを考えることです。

子育て世代であれば、まずは耐震性能、断熱性能、火災時の安全を確認するとよいでしょう。

住宅性能表示を見ることで、営業担当者の説明だけに頼るのではなく、自分たちでも納得して比較できるようになります。

 


 

まとめ

 

住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に確認するための制度です。

特に子育て世代が家を選ぶ際には、次の3つを確認しておくことが大切です。

地震への備えとしては「耐震等級」。

火災への備えとしては「火災時の安全」に関する項目。

寒さや暑さへの備えとしては「断熱等性能等級」や省エネ性能。

家は、家族が長い時間を過ごす場所です。だからこそ、見た目や間取りだけでなく、目に見えない性能にも注目する必要があります。

住宅性能表示は、専門知識がない方でも住まいの安全性や快適性を比較しやすくするための大切な指標です。

これから住宅を探す方は、物件資料を見る際に「住宅性能評価書はあるか」「耐震等級はいくつか」「断熱等性能等級はどの水準か」をぜひ確認してみてください。

そのひと手間が、ご家族の安心と快適な暮らしを守る住まい選びにつながります。




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