京都の再建築不可物件は売れる?空き家・古家のリアルな売却方法

2026.5.31

【売却編】京都の再建築不可物件は売れる?空き家・古家のリアルな売却方法

京都市内には、昔ながらの町家や長屋、路地奥の住宅など、古くからの街並みを残す建物が数多くあります。その一方で、相続した空き家や長年使っていない古家を調べてみると、「再建築不可物件」と判明するケースも少なくありません。

再建築不可と聞くと、「もう売れないのでは」「貸すしかないのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、結論から言えば、再建築不可物件でも売却は可能です。ただし、一般的な住宅と同じ売り方では買主が見つかりにくく、価格も伸びにくい傾向があります。

大切なのは、「売れる・売れない」だけで判断するのではなく、賃貸活用・売却・現状維持のリスクを比較し、物件ごとの最適な出口を見極めることです。

この記事では、京都の再建築不可物件について、賃貸に出す場合と売却する場合のメリット・デメリット、そして現実的な売却方法を分かりやすく解説します。

 


 

再建築不可物件とは?京都に多い理由

 

再建築不可物件とは、現在建っている建物を解体した場合、原則として新たな建物を建てることができない土地を指します。主な原因は、建築基準法上の接道条件を満たしていないことです。

建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。また、道路は原則として幅員4m以上が基準となるため、細い路地や袋小路の奥にある住宅では、現行の基準を満たさないことがあります。

京都では、現在の建築基準法が整備される前から存在する町家、長屋、路地奥の住宅が多くあります。特に旧市街地や伏見区の古い住宅地では、見た目は普通の家でも、調査して初めて「再建築不可」または「建築に制限がある土地」と分かることがあります。

ただし、ここで注意したいのは、「再建築不可=絶対に何もできない」という意味ではないことです。京都市では、路地や細街路の再生に向けた制度や、一定条件のもとで大規模修繕・模様替えを可能にする認定・許可制度も整備されています。つまり、物件によっては改修や活用の余地が残されている場合があります。

まずは、前面道路の種類、接道幅、建物の状態、地域の制度利用の可否を確認することが第一歩です。

 


 

再建築不可物件は本当に売れるのか

 

再建築不可物件は、一般的な住宅より売却が難しいのは事実です。住宅ローンが利用しにくい場合があり、建替えを前提に探している買主には敬遠されやすいからです。

しかし、需要がないわけではありません。買主を一般のファミリー層だけに限定すると売りにくい一方で、次のような層には検討対象になります。

不動産投資家、賃貸経営を行う事業者、リノベーション事業者、京町家や古家を活用したい個人、隣地所有者などです。

特に京都では、古い建物そのものに価値を見出す買主もいます。新築用地としては不向きでも、賃貸住宅、アトリエ、事務所、店舗併用住宅などとして活用できる可能性があります。

また、意外に重要なのが隣地所有者です。隣の方にとっては、土地を広げられる、通路や接道条件を改善できる、将来的な資産価値を高められるといったメリットがあります。そのため、一般市場では評価されにくい物件でも、隣地にとっては高い価値を持つ場合があります。

再建築不可物件の売却では、「誰にでも売る」のではなく、「この物件を活かせる人に届ける」発想が必要です。

 


 

賃貸活用と売却、どちらが得なのか

 

空き家や古家を所有している方がよく悩むのが、「貸すべきか、売るべきか」という問題です。

賃貸活用のメリットは、家賃収入を得ながら不動産を手放さずに済むことです。京都市内で立地が良ければ、築年数が古くても借り手が見つかる場合があります。将来的に家族が使う可能性があるなら、賃貸は有力な選択肢になります。

一方で、賃貸には見落としがちなリスクがあります。古家の場合、雨漏り、配管不良、シロアリ被害、電気設備の老朽化など、貸す前に多額の修繕費がかかることがあります。貸した後も、設備故障や入居者対応、空室リスクが発生します。

再建築不可物件の場合、建物が大きく傷んでも簡単に建替えできないため、将来的な修繕リスクは一般物件より重くなります。家賃収入だけを見ると魅力的でも、10年単位で考えると、修繕費や管理負担が利益を圧迫することもあります。

売却のメリットは、固定資産税や管理責任、将来の修繕リスクから解放されることです。相続人が複数いる場合は、売却して現金化することで分けやすくなる点も大きな利点です。

反対に、売却価格は一般的な建築可能な土地より低くなる傾向があります。一度売ると将来の活用可能性も手放すことになります。

判断のポイントは、「今の家賃収入」だけでなく、「今後必要になる修繕費」「管理の手間」「相続時の負担」「売却した場合の手残り」を比較することです。

 


 

京都の再建築不可物件を売るための現実的な方法

 

再建築不可物件を売却する場合、一般的な中古戸建てと同じ広告を出すだけでは不十分です。物件の特性に合わせた売却戦略が必要です。

まず重要なのは、再建築不可物件や古家、空き家の売却実績がある不動産会社に相談することです。一般住宅の販売が得意な会社でも、再建築不可物件の買主ネットワークを持っているとは限りません。投資家、リノベーション事業者、隣地所有者への提案力が価格に影響します。

次に、解体前に必ず相談することです。「古いから更地にした方が売りやすい」と考える方もいますが、再建築不可物件では逆効果になる場合があります。建物を解体すると、建物としての利用価値がなくなるだけでなく、住宅用地の特例が外れて固定資産税等が上がる可能性もあります。

また、建物が残っていることで、買主がリフォームして使う選択肢を持てる場合もあります。解体は売却戦略を決めてから判断するべきです。

早く手放したい場合は、不動産会社や事業者による買取も選択肢になります。仲介より価格は下がりやすいものの、現状のまま売却しやすく、契約条件によっては売主の契約不適合責任の負担を軽減できる場合があります。

ただし、買取価格だけで判断するのではなく、「仲介ならいくらを狙えるのか」「売却期間はどれくらいか」「解体や測量が必要か」まで比較することが大切です。

 


 

持ち続けることが一番のリスクになる場合もある

 

再建築不可物件で最も注意したいのは、「何もしないまま放置する」ことです。

空き家は時間が経つほど傷みます。雨漏りや外壁の劣化、庭木の越境、害虫・害獣、近隣からの苦情など、問題が表面化してからでは対応費用が大きくなります。

さらに、適切に管理されていない空き家は、行政から管理不全空家や特定空家として指導・勧告の対象になる可能性があります。勧告を受けると、住宅用地特例の対象外となり、固定資産税等の負担が増える場合もあります。

もう一つのリスクは相続です。所有者が亡くなり、兄弟姉妹や親族の共有名義になると、売却には原則として共有者全員の同意が必要になります。意見が分かれると、売りたくても売れない状態になることがあります。

「今は困っていないから」と先送りしている間に、建物の劣化、税負担、相続関係の複雑化が進み、売却条件が悪くなることもあります。

再建築不可物件ほど、早い段階で現状を把握し、選択肢を整理することが重要です。

 


 

まとめ

 

京都の再建築不可物件は、一般的な住宅に比べると売却が難しい不動産です。しかし、売れないわけではありません。京都には町家、長屋、路地奥住宅を活かしたい買主や、投資家、リノベーション事業者、隣地所有者など、物件の特性を評価する層が存在します。

一方で、賃貸活用にも注意が必要です。家賃収入だけを見ると魅力的に見えても、老朽化した建物では修繕費や管理負担が大きくなる場合があります。再建築不可物件は建替えが難しいため、将来の修繕リスクを慎重に見込む必要があります。

大切なのは、感覚で「貸す」「売る」を決めるのではなく、次の3点を比較することです。

・いくらで売れるのか。
・いくらで貸せるのか。
・持ち続けた場合、どれだけ費用と手間がかかるのか。

再建築不可物件や空き家は、早めに動くほど選択肢が残ります。京都市内や伏見区周辺で空き家・古家を所有している方は、まずは現地調査と査定を受け、売却・賃貸・保有の可能性を整理してみてください。

「売れない」と思い込んでいた不動産にも、正しい見方をすれば活用や売却の道が見つかることがあります。

 

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