2026.4.28
【売却編】京都市で家を売るなら今?人口動向から見るベストタイミング

「相続した実家をこのまま持ち続けるべきか」
「今売るのと、数年後に売るのではどちらがよいのか」
京都市で不動産を所有されている方から、このようなご相談を受ける機会が増えています。不動産の売却タイミングを考えるとき、多くの方は「今の相場」や「金利」に注目します。しかし、もう一つ見落としてはいけない重要な判断材料があります。それが人口動向です。
人口は、その地域に住みたい人がどれだけいるかを示す基本的な指標です。人口が減る地域では住宅需要が弱まりやすく、反対に利便性や住環境に強みがある地域では、人口減少下でも一定の需要が維持されることがあります。
京都市は全国的な知名度と資産性を持つ都市ですが、市全体としては高齢化が進んでおり、エリアによって住宅需要の濃淡が分かれています。だからこそ、「京都市だから大丈夫」と一括りにするのではなく、ご所有不動産がある地域の将来性を見ながら判断することが大切です。
この記事では、京都市の人口動向や空き家の状況を踏まえながら、「今売るべきか、保有を続けるべきか」を考えるための視点を解説します。
不動産の売り時は「価格」だけでは判断できない
不動産を売るタイミングを考える際、多くの方が最初に気にされるのは「今いくらで売れるのか」という価格です。もちろん価格は重要です。しかし、売却で本当に大切なのは、価格だけではありません。
重要なのは、その価格で買ってくれる人がいるかどうかです。
不動産市場は、需要と供給のバランスで動きます。買いたい人が多いエリアでは、多少築年数が古くても売却しやすくなります。一方、買い手が少ないエリアでは、価格を下げても成約まで時間がかかることがあります。
この「買いたい人の数」に大きく関係するのが人口動向です。
人口が減少し、高齢化が進む地域では、将来的に住宅を購入する世代が減る可能性があります。特に戸建て住宅の場合、購入層はファミリー世帯や住み替え層が中心になるため、若い世代や子育て世帯の動きは無視できません。
つまり、売却タイミングを考えるときは、「今の査定価格」だけでなく、「これからも買い手が存在する地域なのか」を見る必要があります。
京都市は高齢化が進み、住宅需要の中身が変わっている
京都市の人口動向を見るうえで注目したいのが、高齢化です。
京都市の公表データによると、2025年10月1日時点の65歳以上人口は40万8,005人で、高齢化率は28.5%となっています。これは、市民のおよそ3.5人に1人が65歳以上という水準です。
高齢化が進むと、不動産市場にはいくつかの変化が起こります。
たとえば、親世代が住んでいた家を子世代が相続するケースが増えます。しかし、子世代がすでに別の場所に住んでいる場合、その家を使う予定がないまま空き家になることがあります。
また、階段の多い戸建てや駅から距離のある住宅よりも、駅近のマンションや生活利便性の高い住まいを求める動きが強まることもあります。つまり、人口そのものだけでなく、どの世代が、どのような住宅を求めているかが重要になるのです。
京都市は観光・文化・教育の都市として強いブランド力を持っていますが、すべての住宅が同じように評価されるわけではありません。中心部や駅近、生活施設が整ったエリアは需要が維持されやすい一方、管理が難しい築古戸建てや交通利便性に課題がある物件は、早めの判断が必要になることがあります。
京都市の空き家率は下がっているが、安心はできない
空き家については、誤解されやすい点があります。
「京都市でも空き家がどんどん増えている」と言われることがありますが、最新の2023年住宅・土地統計調査では、京都市の空き家率は12.5%、空き家数は105,300戸です。前回の2018年調査と比べると、空き家率・空き家数ともに減少しています。
これは京都市が空き家対策に取り組んできた成果ともいえます。ただし、「空き家が減っているから安心」とは言い切れません。
京都市内には、2023年時点で市場に流通していない空き家が44,300戸あります。 つまり、売る・貸す・活用するという判断がされないまま残っている住宅も少なくないのです。
さらに、空き家率は区によって差があります。2023年調査では、東山区16.4%、下京区15.7%、山科区13.7%、伏見区12.7%、右京区10.2%など、地域ごとに状況が異なります。
売却を考える際は、「京都市全体」ではなく、「自分の家がある区・学区・駅距離・道路条件」で見る必要があります。同じ京都市内でも、売りやすさは大きく変わります。
今売るべき人、保有を続けてもよい人
では、どのような方は今売却を検討すべきなのでしょうか。
まず、将来的に自分や家族が住む予定のない家は、早めに方向性を決めることをおすすめします。空き家のまま保有すると、固定資産税、火災保険、修繕費、草木の管理、防犯対策など、目に見えにくいコストが継続します。
また、建物は使わないほど傷みやすくなります。数年後に売ろうと思ったときには、雨漏り、設備故障、外壁劣化などが進み、査定価格に影響する可能性があります。
特に次のようなケースは、早めの相談が向いています。
・相続した家を使う予定がない
・空き家管理が負担になっている
・築年数が古く、修繕費がかかりそう
・駅から遠い、前面道路が狭いなど条件面に不安がある
・共有名義で、将来の話し合いが難しくなりそう
一方で、すぐに売らなくてもよいケースもあります。
たとえば、駅近や生活利便性の高いエリアにあり、賃貸需要が見込める物件。あるいは、将来的に家族が住む予定が明確にある物件です。このような場合は、売却だけでなく賃貸活用やリフォーム活用も選択肢になります。
大切なのは、「なんとなく保有する」ことを避けることです。
売る、貸す、残す。どの選択にもメリットとリスクがあります。人口動向は、その判断を感情論ではなく客観的に考えるための材料になります。
「高く売れる時期」より「売れるうちに売る」という視点
不動産売却では、「もう少し待てば高く売れるのでは」と考える方も少なくありません。
しかし、人口減少や高齢化が進む局面では、価格の上昇だけを待つ判断には注意が必要です。なぜなら、不動産は株式のようにすぐ売れるものではなく、買い手が現れて初めて成約する資産だからです。
特に築古戸建てや空き家の場合、時間が経つほど建物評価は下がりやすくなります。また、周辺に同じような相続物件や空き家が増えれば、買い手から比較され、価格交渉を受けやすくなる可能性もあります。
「高く売れる時期」を狙うことも大切ですが、それ以上に重要なのは、買い手がいるうちに、良い条件で売ることです。
京都市はエリアによって需要が異なります。中心部や駅近では今後も一定の需要が見込まれる一方、郊外や築古住宅では早めの判断が有利に働くケースもあります。
売却のベストタイミングは、ニュースや全国相場だけでは判断できません。物件の状態、立地、周辺の人口動向、競合物件の数を総合的に見る必要があります。
まとめ
京都市で家を売るべきか、保有を続けるべきか。その答えは、物件ごとに異なります。
ただし、人口動向を見ることで、判断の方向性は見えやすくなります。
京都市では高齢化が進み、住宅需要の中身が変化しています。空き家率は前回調査より低下しているものの、市場に流通していない空き家は依然として存在し、区ごとの差もあります。
だからこそ、「京都市だから大丈夫」「まだ売らなくても何とかなる」と考えるのではなく、ご所有不動産がある地域の将来性を一度確認することが大切です。
売却は、急いで決める必要はありません。
しかし、判断を先送りにするほど、選択肢が狭くなることがあります。
まずは現在の査定価格だけでなく、人口動向、空き家状況、地域の需要を踏まえたうえで、「売る・貸す・残す」のどれが最も合理的かを整理してみてください。
不動産の査定は、売るためだけのものではありません。
これからの資産判断を正しく行うための、最初の一歩です。
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