不動産売却の税金はいくら?

2026.4.27

【番外編】不動産売却の税金はいくら?計算方法と3,000万円特別控除をわかりやすく解説

「不動産を売ったら、税金はいくらかかるのか?」

相続した実家、住み替え予定のマイホーム、離婚に伴う財産整理、老後資金確保のための売却など、不動産を売る理由は人それぞれです。しかし、売却後に「思ったより税金が高かった」と気づくケースは少なくありません。

不動産売却で特に重要なのは、売却価格そのものではなく、売却によって利益が出たかどうかです。利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税がかかります。

一方で、マイホームの売却では「3,000万円特別控除」、所有期間10年超の軽減税率、相続空き家の特例など、税負担を大きく抑えられる制度もあります。

この記事では、不動産売却時にかかる税金の種類、譲渡所得税の計算方法、主要な特例制度をステップ形式で解説します。


不動産売却でかかる税金は主に3つ

不動産を売却したときに関係する税金は、主に次の3つです。

1つ目は、譲渡所得税です。
これは、不動産を売って利益が出た場合にかかる税金で、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて考えます。

ここで大切なのは、売却価格すべてに税金がかかるわけではないという点です。課税対象になるのは、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた「利益部分」です。

2つ目は、印紙税です。
不動産売買契約書を作成する際、契約金額に応じた収入印紙を貼付します。金額は売買価格によって異なります。

3つ目は、登録免許税などの登記関連費用です。
住宅ローンが残っている不動産を売却する場合、抵当権抹消登記が必要になることがあります。

ただし、売却後の手取り額に最も大きく影響しやすいのは、やはり譲渡所得税です。

 

譲渡所得税の計算方法|まずは利益を出す

譲渡所得は、次の式で計算します。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

取得費とは、その不動産を購入したときにかかった費用です。購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税、設備費、改良費などが該当します。

ただし、建物については購入価格をそのまま使うのではなく、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

また、古い不動産や相続した不動産では、購入時の契約書が残っていないこともあります。その場合、取得費が不明であれば、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。

譲渡費用とは、売るために直接かかった費用です。仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却のための建物解体費、立退料などが代表例です。なお、修繕費や固定資産税など、維持管理のための費用は原則として譲渡費用には含まれません。

たとえば、次のケースで考えてみましょう。

売却価格:4,000万円
取得費:2,500万円
譲渡費用:200万円

この場合、

4,000万円 − 2,500万円 − 200万円 = 1,300万円

となり、譲渡所得は1,300万円です。


税率は所有期間で変わる|5年以下か5年超か

譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間によって変わります。

ここで注意したいのは、所有期間の判定日です。
単純に「買ってから売るまでの日数」ではなく、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかで判断します。

所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得です。
税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%を合わせて、20.315%です。

所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得です。
税率は、所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%を合わせて、39.63%です。

先ほどの譲渡所得1,300万円で考えると、

長期譲渡の場合:
1,300万円 × 20.315% = 約264万円

短期譲渡の場合:
1,300万円 × 39.63% = 約515万円

となります。

同じ利益でも、所有期間によって税額が大きく変わります。そのため、「あと少しで長期譲渡になる」という場合は、売却時期を慎重に検討する価値があります。


3,000万円特別控除など、使える特例を確認する

不動産売却の税金で最も重要な制度の一つが、イホームを売ったときの3,000万円特別控除です。

これは、居住用財産、つまり自分が住んでいたマイホームを売却した場合、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。

たとえば、譲渡所得が2,000万円だった場合、3,000万円特別控除を使えれば課税対象は0円になります。

ただし、誰でも使えるわけではありません。主な条件として、自分が住んでいた家であること、住まなくなってから一定期間内に売却すること、親子・夫婦など特別な関係者への売却ではないことなどがあります。

また、所有期間が10年を超えるマイホームについては、一定条件のもとで軽減税率の特例を使える場合があります。この特例は、売却した年の1月1日時点で家屋や敷地の所有期間が10年を超えていることなどが条件です。

さらに、相続した空き家を売却する場合には、被相続人の居住用財産、いわゆる相続空き家の3,000万円特別控除が使える可能性があります。対象となるのは、一定の要件を満たす相続空き家を令和9年12月31日までに売却した場合です。ただし、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上いる場合、控除額の上限は2,000万円になります。

相続、住み替え、離婚、空き家売却では、使える特例が異なります。「たぶん対象外」と自己判断せず、売却前に確認することが大切です。



税金で損をしないために、売却前に確認すべきこと

不動産売却で税金の失敗が起こりやすいのは、売却後に慌てて確認するケースです。

特に確認すべきポイントは、次の4つです。

まず、購入時の契約書や領収書が残っているか。取得費を証明できる資料があるかどうかで、税額が大きく変わることがあります。

次に、所有期間です。5年以下か5年超か、10年超かによって税率や特例の使い方が変わります。

3つ目は、その不動産がマイホームに該当するかどうかです。住民票の有無だけでなく、実際の居住実態も重要になります。

4つ目は、相続不動産の場合、被相続人の取得時期や取得費を引き継げるかどうかです。相続や贈与で取得した不動産は、原則として前所有者の取得費や取得時期を引き継いで計算します。

不動産売却では、「いくらで売れるか」だけでなく、「税金を差し引いていくら残るか」が重要です。

高く売れても税金が大きければ、手取り額は思ったほど増えません。反対に、特例を正しく使えば、手取り額が大きく改善することもあります。



まとめ

 不動産売却の税金は、売却価格ではなく「利益」に対してかかります。

基本の計算式は、

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

です。

そのうえで、所有期間が5年を超えるかどうかによって税率が変わります。

長期譲渡所得:20.315%
短期譲渡所得:39.63%

さらに、マイホームの3,000万円特別控除、所有期間10年超の軽減税率、相続空き家の特例などを使えるかどうかで、税額は大きく変わります。

不動産売却で本当に大切なのは、売却価格だけを見ることではありません。

最終的に手元にいくら残るのか。

この視点を持つことで、売却判断の精度は大きく高まります。

相続、住み替え、離婚、老後資金確保などをきっかけに不動産売却を考えている方は、査定額だけでなく、税金や特例の確認まで含めて、売却前に専門家へ相談することをおすすめします。



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