京都市では2014年4月1日より「京都市空き家の活用,適正管理等に関する条例」が施工されていますが、全国的にも2015年5月26日より「空き家対策特別措置法」が完全施行されました。
京都市では約11万戸(約14%)、全国にはおよそ約820万戸(13.5%)が空き家の状態です。台風や爆弾低気圧によって屋根や外壁が吹っ飛んだり、不審火が出たり、動物や害虫が大量に住み着くなど、近隣住民にとって迷惑な問題が発生することも少なくないようで、もはや、空き家をそのまま、放置することはゆるされない時代であることは自覚しておく必要があります。
この法律は、空き家を持つ所有者様にとっては無視ができない、しかも古い空き家はすぐにでも対策が必要なほど緊急性も含んでいるのです。
ところで、「空き家対策特別措置法」とはどういった法律なのでしょうか?
空家等対策の推進に関する特別措置法の第1条に
「適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉増進と地域の振興に寄与することを目的とする。」と記されています。
これまでは自治体ごとに空き家対策を行い、所有者を探して指導をしたり、倒壊の危険がある場合には、強制的に撤去できる条例を制定したりするなど対応をしてきましたが、今回の特別措置法は国の法律。これまで、自治体ベースで進められてきた空き家対策が、国を挙げて行われることとなったのです。
空き家対策特別措置法は、問題が空き家を「特定空き家」としています。「特定空き家」の定義として、国土交通省は4つの定義を示しています。
特定空き家の定義
1.基礎や屋根、外壁などに問題があり、倒壊などの危険があるもの
2.ごみの放置などで衛生上有害なもの
3.適切な管理が行われておらず、著しく景観を損なうもの
4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切なもの
「特定空き家」と認められた物件には、次のような措置が施されます。
措置1:解体の勧告や行政代執行の措置が可能に
修繕や撤去の指導や勧告、命令ができる。命令に従わなかった場合には、行政が強制的に撤去し、費用を所有者に請求できる「代執行」も可能としています。
措置2:固定資産税の優遇措置が適用外に
市町村が立ち入り、調査・指導そして、勧告をうけると、土地に対する固定資産税の優遇措置(軽減措置)が適用外となります。
住宅用地における固定資産税の特例
住宅の敷地 | 固定資産税 | 都市計画税 |
200㎡までの部分 | 1/6に軽減 | 1/3に軽減 |
200㎡を超える部分 | 1/3に軽減 | 2/3に軽減 |
※200㎡を超える部分は床面積の10倍が上限
適切なご判断を
空き家の所有者は防犯面・衛生面・景観面など問題のない空き家として適切に管理し、維持しなければなりません。
まだ使用のできる建物が残っているなら、賃貸にすることで借主が管理してくれます。売却に出すのもひとつの考えです。特定空き家に該当すると思われる場合、とりあえず補助を受けて解体しておくのもひとつの手段です。
空き家のままでの管理サービスは、一時的な引き延ばしにしかならないので、将来も見据えて活用方を考えるのは、所有者にとっての課題です。
いずれにしても、空き家を現状の状態で放置することはできません。デメリットだらけです。
思い入れのある不動産で、思い切れないこともあるでしょう。しかし、税負担が増え、最悪行政代執行となっては結局、自己負担となってしまいます。
早めに対応することで周辺の同じような空き家との競合を避けられます。
・売却
・賃貸
・ゲストハウス
・フリーレンタルスペース
・京町家ゲストハウス
・シェアハウス
・シェアオフィス
・レンタル倉庫
・コインパーキング など
センチュリー21ホームサービスでは空き家の活用方法のご相談やコンサルティングを行っております。お悩みごとがございましたら、お気軽にご相談ください。